教えるとき・教えてもらうときに大事だなと思ったこと


既にどこかで言われてそうな話題ですが、実際に現場で思うところがあったのでエントリー。以下、完全に自分が属する組織の中の話になります。

基礎ほど経験があり熟知している人が教えること

基礎って 最初にやること=簡単 な感じがして組織の中堅以下が教えてもいような感じがします。というかしてました。実際に自分の組織にそういうところがあったのと、自分もそれで問題ないと思ってましたが、最近になって基礎ほど経験があり熟知している人が教えるべきだと思いなおしました。
いくつかポイントがあります。

間違ったことを教えたときのリスクが高い

誰しも間違った認識をしていることはありますが、教えられる側はその基礎の上に応用を積み上げていくわけなので、間違った基礎を教えてしまうとその後の過程で矛盾が生じたり、前提が覆されて振り出しに戻ってしまいます。

基礎が出来ていて自分で検証・判断する能力があれば反論が出来るので、そんなに気を使わなくてもお互いに間違いを正しあえばいいと思うんですが、基礎学習においては教えてもらってことが全てな状態なのでリスクが高くなります。

基礎って基本つまらない

基礎ってすぐに役に立つものではないし、手を動かすことに直結しないことも多いのでつまらないですよね。つまらないけどやらなくちゃいけないので、それをいかに楽しく教えられるかが講師の腕の見せ所になると思います。

人間役に立たないことは忘れるものですから、豊富な業務経験からくる体験談や、実際にどういう場面で活用できる話なのかといった経験からにじみ出るものが重要になってくるんじゃないでしょうか。

あとは、教える相手になじみのあるたとえ話を入れるとか。

重要なこととそうでないことの判別大事

経験のある人って長い時間携わっている分、「覚えておくべきこと」と「必要になったときに調べればいいこと」をはっきり分かっています。中途半端に分かっている人ほどどれも重要に見えて全部詰め込もうとしてしまい、教えられる側はパンク寸前なんてことよくありますよね。

「分からなかったら聞いて」を止める

そのスタンス自体はいいと思うんです。分からないことがあるのに、聞けない状況はよくないです。
ただ、それって相手によると思うんですよね。相手がビギナーで基礎が分かってない状況でこれを言うのは教える責任を放棄しているんじゃないでしょうか。


責任なしで物事を進めているアマの状態になっているんじゃないかと。プロの自覚があるなら、ゴールと筋道と、そもそも質問するのに必要な言葉は教えるべきです。逆にそれが示せないなら自分はまだ教えれる段階ではないし、どうしても教えなくちゃならない状況ならもっと前準備を重ねるべきです。

自分への戒めの意味を込めてきびしめに書きました。


自分の周りにはなぜか「分からなかったら聞いて」体質の人が多い気がします。

そういう人達って基本、能力が高いです。人に教えてもらわなくても自分の力でなんとかしちゃえた人たち。その人自身は暗闇の中でも糸を手繰り寄せるような地力を持ってる。過酷な状況の中で本一冊渡されて、開発をするしかなかった武勇伝とか聞いたことあります。

なんだかグチっぽくなっちゃいましたが、それがいい悪いではなくて、そうじゃない人もいるんだよということを認識して、その人の持ってるものを後輩の学習に役立てないとなぁというとことです。

全体像を掴むときは人に聞くのが一番

最後は、教えてもらうほうの立場から。この間のニッパウさんに激しく同意したエントリーでもさらっと書いたんですが、なにも分からないときってなにをどう勉強すればいいのか分からないんですよね。


だからとりあえず手元にある本を前から読んでみるかってなっちゃう。


まず、今から自分が学ぼうとしていることは、それが属する分野の中でどういう位置づけなのか、それより先に学ぶべきことはないか、お勧めの本やその他の情報源はあるか。ってことを聞けば大抵の先輩はしょうがないなぁと渋りつつ笑顔で答えてくれるはずです。


さらに、モノにもよりますが、学習のゴール設定もそこで出来たら最高です。初学の分野に飛び込むときって今自分が立ってる位置も分からないし、とりあえず前に進もうと思っても暗くてどっちに行けばいいか分からない、ゴールが見えないって状況です。そんな状況で閃光弾を投げつつ10歩先を照らしてはそこまで進み、またそこから次のポイントを探すってのは不安にもなりますし、やっぱ効率が悪いです。なにが出来るようになったらゴールなのかどんどん聞いちゃいましょう。


これらを知ってるのと知らないとでは、その後の学習の効率が全然違うと思うんですよね。


もし、↑の分からなかったら聞いて体質の人に出会ったら、
「分からないことがあったら聞いて」
「全体像が見えません」
って答えちゃえばいいと思います。


あと、本を選ぶときに、その本にはなにが書いてあってなにが書いてないのかという立ち位置を示しているかは、数ある初心者向けの本から良書を選ぶポイントのひとつになるんじゃないかと思います。